2017/02/05

最期の森 (1889.2.11 )





最期の森はいつものように
光を浴び
鳥の声を聴き
さわやかな水に肌を包むと
慎ましやかに
空気を吸い込み
力強く
世界に息吹く

そして
あらゆる秩序が再現された穀物を
自分の運命と共に
ゆっくりと消化しながら
体中に運んでゆく

満ち足りた後には
ひとときの休息

、、、来訪者の気配

階段をのぼる
その一段一段は
希望の徴
祝福の式典
未来への門出
厳かな装いに
手を伸ばし
美しい大地を
背負うようにして
身を包む

来訪者の呼び声
階段をおりる
その一段一段は
ほろびの徴
報復の足音
終焉の墓石
するどい剣が
森に突き刺さる

森にマグマが覆いかぶさり
何もかもが燃え尽きた
 
けれど
哀しみに散った
最期の森には
いつものように
今日も光が
降り注ぐ