わたしは
大きな樹の底で
ポプラよ
月にひっそりと
照らされながら
掌をできるだけ
柔らかくして
分厚い樹皮に
ふれてみた。
なでている
のでもなく
なでられている
のでもなく
包容や口づけの如く
浅はかなものでもない。
ひたひたと
じくじくと
わたしと樹皮とが
夜の闇を狂わすように
ひびきあう。
ポプラよ
お前は今ひっそりと
わたしの頭の中を
かき乱している。
ポプラよ
わたしはお前が
愛おしくて
たまらない。
ポプラよ
お前はわたしを
眠らせておくれ。
ポプラよ
どうかわたしを
殺しておくれ。