待ちこがれていたわたくしたちは
冬の改札をくぐります
色とりどりの鼓動を鳴らして
ぎこちなく
はにかむような足取りで
かなしいような、うれしいような
おもいおもいの
旅立ちです
それは残酷なほどに透明で
夢みるだけでは掴めません
流れる河に咲く花も
遠い宇宙に吹く風も
わたくしの単調な片思いには
姿をあらわしてもくれません
みんながみんな
のっぺらぼうで
みんながみんな
かげをまたいで
みんながみんな
ふりむきもせず
わたしくしという名の停車場を
急いで出発するのでしょうか?
待ちこがれていたわたくしたちは
春の列車に飛び乗ります
まっしろな線路をごとごと踏みしめ
切符の匂いに
涙もこぼれて
かなしいような、うれしいような
おもいおもいの
旅立ちです