ぼくは彼らが
いくつもの景色を見落としてきたのを知っている。
彼らには
ぼくが見落とさなかった一瞬を描写できない。
ぽつりぽつり、、、
こつりこつり、、、
ぽつりこつり、、、
こつりぽつり、、、
目をつむれば
全てが透明になってしまう。
透明になった地面のいたるところには
こつりこつり、、、
ぽつりこつり、、、
こつりぽつり、、、
目をつむれば
全てが透明になってしまう。
透明になった地面のいたるところには
雨粒のように脱ぎ捨てられた雫が転がっている。
彼らはこう言う。
「やがて気化して海に還るのだろう。」
「彼方に浮かぶ故国という海へ。」と。
どうやら彼らはその雫に
幾億年のロマンを重ねているらしい。
「彼方に浮かぶ故国という海へ。」と。
どうやら彼らはその雫に
幾億年のロマンを重ねているらしい。
けれど彼らには初めから
雫など見えていない。
彼らはこの場所まで盲目で歩いてきた。
彼らの一歩には
極彩色の雫が一滴滴り、落ちてゆく。
彼らにはこの一滴を葬ることなどできない。
けれど彼らにとってこの一滴は
ただ気化するだけの雨粒でしかない。
雨空、、、
雨空の下の鈴虫たちは隠れた月を見上げて
きっといつか届くことを知っている。
その憧れは久遠の調べとなって現れる。
人々に静寂が訪れる時
小さな異世界が草むらに轟く。
「宇宙はこんなところにも落ちていた!」
鈴虫たちがぼくに見えなかった月をくれた。
なんて尊いひかりだろう。
なんてはかない夜だろう。
気づく前から絶望する人なんていないさ。
それは彼らもぼくも同じことさ、、、
冷たそうな秋の燈、、、
彼らは一瞬のほとんどを
冷たく燃やして捨てている。
灰になった景色はどこへ?
海へ?
空へ?
誰かの優しいこころの底へ?
否、どこにも、、、
どこにもありません。
灰になった景色はもうどこにもありません。
それはただなくなるばかりなのです。
痕も形も無いのです。
こころが堰き止めてもくれないのです、、、
「この広い宇宙、
きっとどこかにあるかもしれませんよ!」
「いいえ、ないのです。
隅から隅まで照らしてみても
もうどこにもないのです。」
彼らが見落としてしまった一瞬を
ぼくは集めることなどできません。
だからそれと同じことなのです。
彼らはぼくが見落とさなかった一瞬を
集めることなどできません。
彼らはそれを
見落としてしまったのですから。
雫など見えていない。
彼らはこの場所まで盲目で歩いてきた。
彼らの一歩には
極彩色の雫が一滴滴り、落ちてゆく。
彼らにはこの一滴を葬ることなどできない。
けれど彼らにとってこの一滴は
ただ気化するだけの雨粒でしかない。
雨空、、、
雨空の下の鈴虫たちは隠れた月を見上げて
きっといつか届くことを知っている。
その憧れは久遠の調べとなって現れる。
人々に静寂が訪れる時
小さな異世界が草むらに轟く。
「宇宙はこんなところにも落ちていた!」
鈴虫たちがぼくに見えなかった月をくれた。
なんて尊いひかりだろう。
なんてはかない夜だろう。
気づく前から絶望する人なんていないさ。
それは彼らもぼくも同じことさ、、、
冷たそうな秋の燈、、、
彼らは一瞬のほとんどを
冷たく燃やして捨てている。
灰になった景色はどこへ?
海へ?
空へ?
誰かの優しいこころの底へ?
否、どこにも、、、
どこにもありません。
灰になった景色はもうどこにもありません。
それはただなくなるばかりなのです。
痕も形も無いのです。
こころが堰き止めてもくれないのです、、、
「この広い宇宙、
きっとどこかにあるかもしれませんよ!」
「いいえ、ないのです。
隅から隅まで照らしてみても
もうどこにもないのです。」
彼らが見落としてしまった一瞬を
ぼくは集めることなどできません。
だからそれと同じことなのです。
彼らはぼくが見落とさなかった一瞬を
集めることなどできません。
彼らはそれを
見落としてしまったのですから。
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